さぁ、みなさんご一緒に~!

切なかった2006年02月27日 23時05分

photo by hide
バイト先でのこと。見事な白髪の男性がお客として現れた。ひとしきりのやり取りのあと、彼は帰っていった。ほどなくして、彼の妻だという人から、私あてに電話がかかった。先程、彼が持ち帰ったはずの品物が、どこを見てもないという。本当に渡したのだろうかという問合わせである。単なる問合わせで、疑われているわけではないとわかってはいても、やはりいい気分ではない。彼とのやり取りの詳細と、確かにお渡しした旨を申し上げたが、彼女も納得にはほど遠い感であった。話が進み、彼女によれば、彼は認知症とのこと。それとはわからぬほどの会話を、私と交わしたのだった。祖母の認知症(当時はボケといった)で20年前に壮絶な経験のある私だが、彼女もまた、想像を絶する日々を送っているのだろう。電話の向こうの「情けないですね、歳を取るって…」というため息まじりの声が、とても切なかった。