さぁ、みなさんご一緒に~!

人の心配と自分の心配2008年09月27日 12時28分

慌しく出かける支度をする母に、父が言った。
「おかーさんは忙しいんだから、人の心配より
自分のことを心配しなさい」。

人の心配より…ってね、こりゃあ血筋?と思った。

記憶をさかのぼることウン十年、小学1年の算数の
時間に算数セット(今もあるのかな?)のオハジキを
使うことになった。ところが、隣と前の席の子が持って
きていなくて泣いている。そこで、少しずつ貸して
あげることにした。で、気がついたら自分の分が
なかった!それでどうしたのかは覚えていないの
だが、「困ったな」と思ったことだけは覚えている。

まさに、人の心配より自分の心配を…ってやつだ。

そのときオハジキを貸した隣の席の男の子は、
ハル君といった。泣くぐらいの子だから一事が万事、
おとなしい男の子だったが、動物が大好きだった。
我が家には犬がいたので、ハル君は低学年のうち
はよく遊びに来た。私もハル君の家にはよくおじゃま
して、お父さんにもお母さんにもよくかわいがって
いただいた。

長じて、ハル君は動物の関係の学校に進学した。
「やっぱりねぇ~」と、ハル君を気に入っていた両親
もうなずいていた。

ハル君にも、ハル君のご両親にも何年も会わないまま
年数だけがたった。あるとき、スーパーの駐車場で
ハル君のお母さんにばったり会った。久しぶりで嬉しく、
私と母は勇んで「皆さん、お元気?ハル君は?」と
聞いた。ところが、ハル君のお母さんはみるみる泣き顔
になって「ハルが、ハルが…きのう四十九日で…」と、
途切れ途切れにやっと話してくれた。

朝、なかなか起きてこないので行ってみると、布団の
中で冷たくなっていたそうだ。突然死と診断されたと
いう。言葉がないとは、こういうときだ。
あまりにも辛い話で、仏前にお参りもできずにいる。
取り乱しそうで怖いのだ。

こういうときだけ自分の心配をしているんだな…と、
自分の虫のよさを恥ずかしく思う。

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