笑顔と大きな声 ― 2008年05月17日 15時32分
お茶の先生が、歯医者さんに行きたいと
いうので車で送迎した。
「あなたに釜をあげるわ…」と、ずい分まえから
話が出ていて、今朝お迎えに上がったときに、
ご主人が車に乗せてくださった。
こういうものをいただくと、先生も少しずつ
整理をされているのだと、寂しくなる。
「せっかく揃えて大事になさってたのに」と
ご主人に言うと、「いいんだよ、もう…ね…」と
うつむいて多くをおっしゃらない。
歯科での治療はすぐにすんで、またお送りした。
私が車に乗り込むのを、ご主人が見送ってくださる。
「涙が出ますよ」と言いながら、寂しそうな悲しそうな
お顔をなさるのには、こちらもまいってしまう。
去年のお正月は、お弟子もみんなでにぎやかに
稽古始をしたんだった。
その日、ご主人はお友だちと鴨料理を食べに行くと
いって、私たちで点てたお茶を一服召し上がって
出かけた。その出先で具合が悪くなって即入院と
なり、先生はご主人のいらっしゃらない家に一人では
いられないと言って、お嬢さんの所へ行くことになった。
ご主人の入院は半年以上もかかって、8月にやっと
退院だった。その後、去年の暮れに今度は先生が
大腿骨を骨折するという大怪我をなさり、それが
治ってどうにか落ち着いたところ。
先生からこうした用事で電話がかかるのは、月に
2~3回というところ。そのたび、大げさなほどの
笑顔と笑い声でお目にかかる。耳も少し遠くなって
きたので、話し声も大きくゆっくりな口調になる。
先生ご夫妻は喜んで迎えてくれ、重宝がってくれる
けれど、私の大きな声は、実は私自身のためのもの
なのだと気付く。沈みがちな気持ちを奮い立たせる
ためには、やっぱり笑顔と大きな声なのだ。
参考までに↓
http://mini-suke.asablo.jp/blog/2008/01/29/2588222
http://mini-suke.asablo.jp/blog/2008/02/20/2646619
http://mini-suke.asablo.jp/blog/2008/02/28/2670768
http://mini-suke.asablo.jp/blog/2008/05/03/3444667
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